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更新日: 2026-09-18

サイト売買の契約書に何を書くか。雛形を使うときの注意点

サイトやWebサービスの売買は、会社の合併・買収に比べて金額が小さいこともあり、契約書を作らずに口約束と振込だけで進めてしまうケースが少なくありません。しかし、代金の支払いと引き継ぎ作業の間にはどうしてもタイムラグが生じるため、何を・いつまでに・どちらが行うかを書面にしておくことが、後々のトラブルを防ぐ一番の対策になります。

事業譲渡契約書に入れる基本項目

契約実務の専門メディアであるクラウドサインの「事業譲渡契約書とは?」およびGMOサインの「事業譲渡契約書とは?記載すべき重要条項とひな形」は、記載すべき項目として次を挙げています。

  • 当事者の特定:売り手・買い手の氏名(または名称)・所在地
  • 譲渡対象の特定:譲渡する資産・権利の範囲(ソースコード、ドメイン、SNSアカウント、顧客データなど)
  • 対価と支払方法:金額、支払時期、振込手数料の負担者
  • 表明保証:提供した情報(売上・利用者数など)が事実と相違ないことの保証
  • 競業避止義務:売り手が一定期間、類似のサービスを新たに始めないことの取り決め
  • 秘密保持義務:交渉過程で知った情報を第三者に漏らさないことの取り決め
  • 契約解除・損害賠償:表明保証に反する事実が後から見つかった場合の扱い

個人間のサイト売買では省略してよい項目もある

上記は会社同士の事業譲渡を想定した項目です。個人開発のサービス1つの売買であれば、従業員の処遇のような項目は不要なことがほとんどです。反対に、次の3点は金額の大小にかかわらず省略しないことをおすすめします。

  1. 譲渡対象の範囲:ソースコード一式・ドメインの登録情報・SNSアカウントのログイン情報・決済アカウントなど、何が引き継がれるのかを具体的に列挙する
  2. 代金の支払いタイミング:全額前払い・引き継ぎ完了後払い・分割など、どちらのリスクをどちらが負うかを明確にする
  3. 表明保証:売上や利用者数について、提示した数字が事実であることを明記する

雛形をそのまま使うときの注意点

インターネット上には無料の契約書雛形が多く出回っていますが、そのまま使う前に、自分の取引に合わせて次を見直す必要があります。

  • 譲渡対象の欄が、自分のサービス構成(使用しているサーバー・外部APIなど)に合っているか
  • 支払いのタイミングが、実際の引き継ぎ作業の流れと矛盾していないか
  • 金額の記載欄が空欄のまま提出されていないか(合意した金額を必ず明記する)

なお、契約書は印紙税の課税文書に該当する場合があります。GMOサインの解説では、事業譲渡契約書は課税文書として扱われる一方、電子契約であれば印紙税の対象外になるとされています。金額や課税の要否は個別の状況によって変わるため、不安がある場合は税理士に確認することをおすすめします。

具体的な条項の書き方の例

「譲渡対象の範囲」は、抽象的に「サービス一式」と書くのではなく、次のように具体的に列挙すると、後から「これは含まれるのか」という揉め事を防げます。

  • ソースコード一式(リポジトリのURL・アクセス権限の移譲を含む)
  • ドメイン名の登録情報(レジストラでの名義変更手続きを含む)
  • 利用しているSNSアカウント(ID・パスワードまたは管理者権限の移譲)
  • 決済アカウント(新規開設か、既存アカウントの名義変更かを明記)
  • 蓄積している利用者データ(件数・保有形式・移行方法)

「代金の支払いタイミング」についても、「引き継ぎ完了確認後に全額支払う」のか「契約時に一部を前払いし、引き継ぎ完了後に残額を支払う」のかによって、売り手・買い手どちらがどのリスクを負うかが変わります。金額が小さい取引であっても、この2点を曖昧にしたまま進めないことが、結果的にお互いのためになります。

書面を残すこと自体に意味がある

契約書の完成度よりも大事なのは「代金と引き継ぎの範囲について、双方が合意した内容を書面で残す」という行為そのものです。簡潔な内容であっても、後から見返せる記録があるだけで、行き違いによるトラブルの多くは防げます。

本記事は2026-09-18時点の公表情報にもとづいて作成しています。本記事は一般的な情報提供を目的としており、法的助言・税務助言ではありません。個別の状況については弁護士・税理士等の専門家にご確認ください。


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